ご自宅での生活を応援したい
私は10年以上介護の現場に携わり、施設介護、在宅介護の両方を体験してきました。その中で感じたことは「意外に早く介護施設へ入所されるんだな・・・」という感想でした。要支援や要介護1程度の方でも多くの方が私の体験してきた施設にはおられました。有料老人ホームなどの場合、「本格的に困る前に」「子供に迷惑をかける前に」というご自身の意思で入所される方も大勢いらっしゃると思います。その背景には、「介護度が重くなったら自宅での生活は無理だ」「自宅では大した介護は受けられない」という前提があるのではないでしょうか。それは、在宅への介護サービスの供給が貧弱であることの証左に他なりません。
昨今、国は「地域包括ケアシステム」という概念を打ち出し、その構築を推進しています。簡略にまとめると、「住み慣れた地域で、自分らしく、最後まで暮らせる」ことを目標としています。この政策は、これまでなら介護施設への入所を選択していた方々が、自宅へとどまるようになることを意味すると考えます。このシステムが実現すれば、大変良いことだと思います。そのためには、在宅への豊富な介護サービスの供給が必要であると考えます。
ご自宅での生活では、どれほど介護サービスが充実したとしても、介護施設ほどの安全は望めません。ご家族の方のご不安、ご心配もあることと存じます。「家での介護に限界を感じる」「家で一人で暮らさせるのは不安」などの理由で、施設への入居を考えられたことがある方もいらっしゃると思います。しかし、要介護者ご本人の希望は、各種統計に示されている通り、6割以上の方は「自宅に最後までいたい」というものです。介護保険や地域の力を借りながら、望む生活をできる限り「ご自宅」で送っていただきたいと思っています。またそのような思いを持つ地域の事業所や病院、ケアマネジャーやソーシャルワーカーの方たちの力になりたいと考えています。
24ケアシステム株式会社
代表取締役 山根 謙